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天野 宰; 芝田 陵大; 佐藤 義治; 山崎 勝幸; 白茂 英雄; 中村 仁宣
Proceedings of INMM & ESARDA Joint Annual Meeting 2023 (Internet), 6 Pages, 2023/05
日本では、原子力事業者に核セキュリティ文化の醸成活動を義務付けられてからおよそ10年が経過した。この間、世界の原子力情勢は大きく変化し、法令遵守や核セキュリティ文化を重視する姿勢がますます重要になっている。原子力機構では、法令遵守及び核セキュリティ文化醸成活動方針を理事長が定め、その方針に基づいて、本部及び全国6か所の拠点で様々な活動が行われている。最終的には、これらの活動結果について、毎年評価し、改善を行ってきている。事例研究は、核セキュリティ上のリスクに対する感受性、法律の正しい理解等、法令遵守や核セキュリティ文化醸成のためのスキルを身につけることができる活動の一つである。事例研究の手順は、危険余地トレーニング(KYT)の手法を参考に作成した。KYTは、参加者(グループ)が4つの質問を通じて、事例への対応方法を議論するトレーニングである。まず、参加者には、核セキュリティ上のリスクがある想定事例のイラストと説明文が与えられる。その後、グループ内で4つの設問に従い、ディスカッションを行う。このグループディスカッションを通じて、参加者は核セキュリティのリスクを効果的に認識することができる。2022年度の事例研究では、核セキュリティ担当者、警備員、一般職員等、参加者の役割に応じて自由に事例を選択できるように23事例を用意した。事例研究の実施後、有効性評価のため、参加者に対し、アンケートへの記入を求めた。アンケートの結果、事例研究は核セキュリティリスクに対する感度の向上と法律の正しい理解につながることが示された。全体として、事例研究結果より、JAEAの取り組みは核セキュリティ文化の維持・向上させるのに十分であることを示唆していた。